【第8回】“心のいやし”を求めて

ビッグサンズはこの10月1日、満20年の誕生日を迎えた。

昭和53年(1978)、資本金570万円、同志11人で始めたベンチャー企業が、いま資本金5億1399万円、グループ企業3社社員数100人を超える規模となった。

だが、村田社長は自戒する。「無事これ名馬なりはベンチャーの気概を薄れさせる」と。その気配がみえるとすぐ、社員の気風にも社内の組織にも向上心と改革 を求めてきた。これからもそうしよう、と感慨の去来する胸の内で思う。ビッグサンズの未来設計図はどうなるのか。それはのちに触れる。

今回は、電子ディスプレーにつぐ柱となっている『プリペイドカード』を紹介する。

病院の入院患者がテレビ等の借用料をカードで払うシステムだ。コインより清潔感があって患者と病院から歓迎され、市場は広がっている。これもビッグサンズが開拓した。

電子ディスプレーより新しく7年前、開発した。受像機わきのプリペイドカードタイマーにカードを入れると記録された時間だけ、テレビをみることができる。 ビッグサンズの「Auvicul」(オービカル)ブランドの「カードタイマー」は、いまこの機器のスタンダードになっている。

カード自動販売機は院内に置かれ、千円札を入れるとカードが出る。電気洗濯機や冷蔵庫、電話も同じカードで利用できる仕組みも普及し始めている。

ビッグサンズは、7年間で累計14万台の機器を普及させ、カード売上は年間400万枚に上る。業界のシェア40%のナンバーワン企業である。病院経営の合理化や環境改善への要請が高まる中で、期待できる市場になっている。

もう1つ今年から本格的に取り組み始めたのは「まんがの図書館」である。まんが本数万冊をそろえた店に利用料を払って入ると、スナック類などの自動販売機があり自由にマンガを楽しめる。

入場料は30分200円。お客の平均滞留時間を1時間半から2時間、平均1.5時間として、料金は平均600円ていど。自動販売機の缶コーヒーなど1杯 100円余りとして、700円余りで楽しめる。パチンコより安い。かなりの利用者が見込めるのではないか。

平成8年に、梅田店(大阪市北区太融寺)を設置、翌年、難波店(同市中央区難波)、心斎橋店(同区南船場)に開設。この春は三軒茶屋店(世田谷区三軒茶 屋)で首都圏進出、8月には池袋東口店開設と順調に業績を伸ばし、いよいよフランチャイズの展開に入る。「心の癒(いや)し」市場への突破口作戦である。 日々めまぐるしく変化する。"火宅の市場"の情報サービス業界にあるビッググループが自ら求める「心のいやし」の場を事業化した。東京池袋進出店では「フ クロウ大明神」を祭り、おみくじ、そして"癒(いや)し袋"の遊びも始める予定。

これも『普及率ゼロ』の新分野である。

(村上順一郎)

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